スポーツ障害

スポーツ障害

近年は様々な種類のスポーツが盛んになり、年齢に関係なく幅広い人々がスポーツを楽しむ機会が増えています。また、色々な分野でのプロスポーツ選手の活躍もクローズアップされる中、競技スタートの低年齢化や厳しい練習などに取り組んでいる子供達も多くいます。
スポーツは日常生活ではあまり使わない部位に負荷をかけることが多いため、どんなに気をつけていても骨折や捻挫・脱臼などの怪我や、同じ動作を繰り返すことで蓄積した身体への負担が慢性的な痛みとなって現れることがよくあります。

大切なことは初期の段階で適切な処置をすることです。痛みを無視して無理に続けると、長期間スポーツができなくなってしまったり、手術が必要な事態に発展する可能性もあります。
当院では安易に手術を勧めるのではなく、子供から大人まで、よりよく身体を使い、スポーツを長く楽しむためのサポートを心掛けています。

スポーツ障害とは

治療の開始時期とその後の経過

スポーツ障害とは、スポーツ(運動)により一定の動作が繰り返されることで蓄積した負担が原因で、特定の部位を痛めてしまうことです。使い過ぎ症候群(オーバーユース)とも言います。症状が慢性化し、日常生活に支障をきたすほど重症化する場合もあります。また、成人だけでなく、成長期の子供にもよく起こります。

スポーツ障害の原因

過度な練習や同じ動作を長期間繰り返すことによる負担が主な原因です。スポーツにおける筋肉の伸縮やねじれ、骨による衝撃の吸収など、運動をすることによって身体が受けるダメージは非常に大きく、筋力や体力が不足していたり、更には身体の柔軟性が足らず、その大きな負担に耐えられなかった場合に怪我が起こります。

また、子供の場合、成長期の身体の構造もスポーツ障害を起こしやすい原因の1つです。
成長期には骨がまず成長し、それを追いかける形で筋肉がついていきます。成長期の骨は、両端が軟骨になっていて、骨端線(こったんせん)と呼ばれる部分から骨が伸びていきます。そのため成人と異なり、骨や関節の構造が弱いのが特徴です。過度な練習などで強い牽引力・圧迫力などが繰り返し働くと、傷ついたり変形したりして障害が生じやすくなります。成長期の身体への負担を理解することで無理のない運動を心掛けることが必要です。

部位ごとの障害

筋・腱の障害

野球肘
症例:野球肘
野球肘とは、投球動作などによって起きる肘関節の障害を言います。投球やバレーのスパイクなど肘に高負荷がかかる動作を繰り返すことで関節部の骨同士がぶつかり、損傷や剥離が起こります。負荷が大きくかかる靭帯に障害が起きる大人の野球肘とは違い、成長期の子供では構造がもろい軟骨部分に障害が起きるケースが多くみられます。
  • アキレス腱炎
  • ジャンパーズニー
  • 腱鞘炎

骨・関節の障害

オスグッド病
症例:オスグッド病
ダッシュやジャンプなどの運動によって膝蓋骨(膝のお皿)の下にある膝蓋腱と呼ばれる腱が脛骨(すねの骨)と付着している部分に負荷がかかり、成長軟骨部分が剥離して発症します。10~15歳辺りの男子で発症することが多いスポーツ障害です。
  • 腸脛靭帯炎
  • シンスプリント

神経の障害

腰椎椎間板ヘルニア
症例:腰椎椎間板ヘルニア
背骨には骨と骨の間にクッションの役割を果たす椎間板(ついかんばん)という組織が存在します。椎間板は髄核(ずいかく)と呼ばれるゼリー状の組織を線維輪(せんいりん)という繊維状組織が包み込む二重構造になっており、この構造が背骨にかかる負担を効率よく受け止め、身体のバランスをとっています。
ヘルニアとは臓器の一部が本来あるべき場所からはみ出した状態のことです。椎間板ヘルニアとは繊維輪に亀裂が生じ、髄核が繊維輪を破って正常な位置から飛び出してしまった状態です。椎間板が正常な位置から飛び出し、神経などを圧迫する事によって坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)など激しい痛みや痺れなどの症状を引き起こします。

スポーツ障害の治療

当院では多数の医療機器を取り揃えており、状態に合わせて適切な治療をしていきます。
また、経験豊富な理学療法士による施術や指導を徹底することで、早期回復・早期復帰をサポートいたします。
特に成長期のお子様の場合、単なる成長痛と思われがちで治療が遅れることがよくあります。お子様にとって大切な時期に思いっきりスポーツをさせてあげるためにも、一度当院にご相談下さい。

症状の度合いによっては「可能な範囲で練習に取り組める場合」、「炎症を抑え、一時的に安静が必要な場合」や「手術が必要な場合」などがありますが、いずれの場合も可能な限り患者様の想いを尊重し、納得頂けるように相談しながら治療を進めていきます。

設備紹介

スポーツ障害の予防

スポーツ障害は起きてしまってから治療するのではなく、障害が起きないように予防することが何より大切です。

  • スポーツ前にしっかりウォーミングアップをしましょう

    スポーツ前にウォーミングアップを十分に行うことは非常に大切です。
    ストレッチをしっかり行うことにより関節や筋肉・靭帯などの柔軟性が高まり怪我をしにくくなりますし、軽いジョギングなどで体温を上げれば血流が良くなり全身に酸素を送る量が増えるため、運動のパフォーマンスも向上します。スポーツ前にはウォーミングアップを徹底しましょう。

  • 正しいフォームで適度な練習にしましょう

    使い過ぎ症候群(オーバーユース)とも呼ばれるスポーツ障害は、同じ動作の繰り返しによる慢性的な負荷が原因となるため、身体への負荷を減らすことが重要です。間違ったフォームは身体に余計な負荷がかかるため、まずは正しいフォームを身につけると共に、無理な負荷をかけ過ぎないように注意しましょう。

  • スポーツ後はしっかりクールダウンをしましょう

    クールダウンとは身体を冷やすという意味ではなく「運動後の体を静めるための行動」と言う意味で使われ、疲労回復や筋肉などの組織のケアが目的です。
    スポーツ後、急に運動をやめると末端に巡ってきた血液が疲労物質と共にその場に滞り、疲れが取れにくくなることがあります。これは身体の末端に巡ってきた血液を、足や手など末端の筋肉が収縮することによって再度心臓に戻す筋肉ポンプといわれる仕組みが働かないためです。軽いウォーキングやストレッチを心掛け、しっかりクールダウンをしましょう。

  • 違和感があるときは早めに受診しましょう

    痛みが出た時や違和感がある時は早めに受診しましょう。
    痛みは大切な身体からのサインです。痛みがある時に無理して運動を続けると慢性化してしまったり、痛い部分を無意識にかばい、姿勢やフォームが崩れて他の部位にまで影響が出ることがよくあります。
    早期に治療を始めれば治療期間も短くて済みます。スポーツを長く楽しむためにも大丈夫と過信せず早めにご相談下さい。

スポーツを楽しむ全ての方へ

当院では成長期のお子様から生涯スポーツを楽しむ大人の方まで、より多くの方がスポーツを長く楽しめるサポートを心掛けています。症状や状態をしっかり理解いただき、納得のいく治療を進めていくためにも患者様の気持ちに寄り添うことに努めています。
患者様と医師・スタッフとの距離が近いアットホームな雰囲気の中で、ご本人様からはもちろん、保護者の皆様の不安や疑問にも丁寧にお答えします。
一緒に一日でも早い回復を目指していきましょう。

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