関節リウマチ

関節リウマチ

関節リウマチは、ひと昔前には関節が腫れて痛み、変形していく病気と考えられ、おもな治療は痛みを取り除くことでした。しかし近年では研究やお薬の開発が進み、早期治療により変わらぬ生活を維持することも可能になっています。

関節リウマチとは

治療の開始時期とその後の経過
治療の開始時期とその後の経過
早く治療を開始した場合
治療開始が遅れた場合
治療をしなかった場合

関節の周りで強い炎症がおきて痛みや腫れがあらわれ、関節が壊れて変形に至ってしまう病気です。関節リウマチは、痛みを我慢せずできるだけ早く適切な治療を開始し、関節が壊れないようにすることが重要です。

図中Aの期間の早いうちに治療を開始して、関節が壊れるのを最小限に抑えることが大切です。また、なるべく①の経過を辿れるよう、症状の進み方に合わせて積極的に治療を変更していくことで、関節が壊れるのを最小限に抑えます。

関節リウマチの原因

ある種のタンパク質が通常より増えて関節で炎症を起こすことにより強い痛みが生じます。これらのタンパク質は健康な身体の中にもあり、外部からのウイルスや細菌を攻撃する働きを持っています。このタンパク質が関節をおおっている膜の中で通常よりも増えると、自分自身の関節の組織を攻撃して炎症を引きおこし、ついには関節を壊してしまいます。

関節リウマチの症状

関節リウマチの症状があらわれる主な関節
関節リウマチの症状があらわれる主な関節

関節リウマチのおもな症状は関節の痛みや腫れ。また、そのままにしておくと関節が曲がり固まってしまい変形につながります。
手以外にも様々な関節に症状があらわれる可能性があります。

関節の症状
痛み、腫れ
変形
日常の動作がしづらい など
関節以外の症状
体のだるさ(倦怠感)
微熱
体重減少
肺炎
動脈硬化 など

Point

関節の炎症や症状が強いこと、病状の進行が速いことを「活動性が高い」といいます。

関節リウマチの検査

血液検査

血液検査は、病気の診断、症状の強さや治療効果、お薬の副作用の確認を目的に行われます。

画像検査

画像検査は、関節が壊れていないかや、炎症の程度を評価するため、レントゲンやMRI、エコー(超音波)などを用います。

関節リウマチの治療方法

治療の目標

  • 関節の痛みや腫れを抑える
  • 関節が壊れないようにする
  • 将来の生活を見すえて身体機能を保つ

主な治療法

1.薬物療法
病気の活動性を抑えて痛みや腫れなどの症状を改善します。また、関節が壊れないようにします。
2.基礎的治療
患者様さまに病気や治療を理解していただき、病気の悪化を防ぐための日常生活の指導を行います。
3.リハビリテーション
関節機能を維持し、筋力低下を防止します。
4.外科的治療(手術)
炎症を起こしている関節の骨膜を切除したり、人口関節に入れ替えたりします。

治療の流れ

治療の流れ

薬物療法を中心とし、基礎的治療やリハビリテーションを組み合わせます。
治療薬は症状・状態に合わせて適切に変更していき、患者さまひとりひとりの症状・状態に合わせた治療方法で進めていきます。症状がいつごろから出始めたか、症状はどのくらい続くか、しづらい動作は何か、などの具体的な情報は医師が病状を把握するためにとても役立ちます。

関節リウマチとうまくつきあうために

関節リウマチとうまくつきあうために

病気の症状・状態により治療の目標は異なります。
痛みや腫れを取り除くことも大切ですが、関節が壊れ変形することを防ぐことも大切です。適切な治療を進めるため、痛みは我慢せず医師や看護師にご相談ください。症状の進み方に合わせて積極的に治療を変更し、早いうちから関節を壊れるのを抑える治療を行うことで、関節が壊れるのを最小限に抑え、将来にわたる日常生活への影響を抑えることを目指します。

Point

関節の炎症を鎮めるためには関節に負担をかけないこと、ストレスをためない環境を作ることも大切です。

  • 関節に過度の力を加えない(正座しない、片手で重い物を持たない)
  • 長時間同じ動作や姿勢を続けない
  • 痛みのあるときは無理をしない
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